磯のヒラスズキ釣りに2年ほど愛用しているロッド、リップルフィッシャーのAvarce 110H Nanoのインプレをご紹介します。ヒラスズキ用のロッドを探している方、リップルフィッシャーのロッドが気になっている方の参考になれば幸いです。
僕はこのロッドを使用して、伊豆の地磯をメインフィールドとして、主にヒラスズキ釣り、ヒラスズキが釣れない時には根魚、青物釣りを楽しんでいます。
以前はGクラフト セブンセンス ウネリスペシャル (MS-1102-TR)を使用していましたので比較を交えてご紹介します。
アヴァリス110H Nano (Avarice 110H Nano) のスペック
- 長さ: 11フィート
- 重さ: 253g
- 適合ルアー重量: Max60g
- 適合ライン: MaxPE2.5号
長さ
ヒラスズキロッドとしてはスタンダードな11フィート。最近はヒラスズキ用のショートロッドを見かけるようになりましたが、ヒット後の根擦れをかわすために必要とされるライン角度を保つためにも、魚の突っ込みをいなす上でのタメを効かせるためにも11フィートの長さは適切だと考えています。
青物ロッドと変わらないほどの太さと強さを持つバットにしなやかなティップを合わせ持ち、ロングキャストがしやすく、磯で使うには非常に汎用性が高い長さになります。
実際に僕の場合、足元から数メートル先のスリットへのピッチングから、数十メートル先の沖の潮目や、サラシから沖へと伸びる払い出しの先へのロングキャストまでロッドの長さによる特性に助けられています。
重さ
11フィートで253gという重さはやや重い部類に入ります。合わせて使用しているリールのツインパワーSW5000XGの重さが415gあるので、合わせると668g、なかなかの重量感ですね。
実際キャスト前に片手で保持しているだけでは重さを感じます。以前使用していたGクラフトのウネリスペシャルの192gと比較しても60gほど重くなります(当時使用していたリールと合わせると622g)。
しかしながらバランスの良さからキャストやリーリングの際の持ち重り感はなく快適に釣りが出来ます。
ヒラスズキ釣りでは、ポイント毎のキャストは少ないものの、ヒラスズキを求めてポイント移動を繰り返すランガンが当たり前になっており、1日のキャスト回数はかなりの数になる場合もあります。
キャスト時の持ち重り感がないことは体力的に恩恵があります。
適合ルアー重量
スペック上のMaxが60gなので、重いルアーとして青物用のダイビングペンシルや重めのミノーやジグミノーを投げることがあります。
一方どれぐらい軽いルアーが投げられるかというと、10g程度のシンペンやミノーは快適に扱えます。事実、人気のカゲロウ100Fや定番のTKLM 9/11なども安定した飛距離が得られています。
ヒラスズキ、青物どちらも狙えるルアー、K2F142は、飛距離、アクション共に申し分無く、使いやすいのは言うまでもありません。
適合ライン
ヒラスズキでは風を使ったドリフトを使用することや、大型の青物が釣れることもあることからメインラインはラインキャパシティMAXの2.5号を使用しています。リーダーはヒラスズキメインの場合は8号、青物メインの場合は10号です。
リップルフィッシャー アヴァリス 110H Nano (Avarice 110H Nano)の特徴
最も特徴的なのは柔軟性とパワーだと思います。
九州系メーカーのヒラスズキ用のHクラスのロッドとしては意外に思われるかも知れませんが、パツパツとした硬さは一切なく、キャスト時も魚を掛けた後もとても柔軟で粘りを感じると同時に魚をリフトするパワーをも感じさせるロッドです。飛距離も申し分ありません。
以前使用していたGクラフトのウネリスペシャルは非常にシャープな振り抜き感でピーキーではありますが、ピンポイントキャストがよく決まりました。
比べるとAvariceはよく言えば大らかで力持ち、悪く言えばその柔軟性、或いはパワー性能からキャスト精度は甘くなりがちな印象を持っています。
ヒラスズキをかけた後のフィーリング
Hクラスとは思えない柔軟なティップ(繊細ではありません)で、60cm程度の小型のヒラスズキのバイトも弾くことなく、70cm以上の大型のヒラスズキがヒットしても粘りのバットパワーで浮かせることが出来ます。
「粘りのバットパワー」と表現したのには訳があります。
このロッドを実際に使う前まではHクラスの名前通りの硬くパワーがあるロッドをイメージしていました。70cm程度のヒラスズキは抜き上げでランディングするぐらいに考えていましたが、実際はそうではありませんでした。
パワーロッドではありますが、あくまでも魚をリフトするためのパワーであり、ある程度のサイズのヒラスズキをサラシの中から強引に抜き上げるにはロッドの破損やバラしのリスクが伴うと考えます。大型の魚にはセットを利用したずり上げを推奨します。
この点は当初は期待外れに感じていましたが、そもそもただでさえバラしやすいヒラスズキ釣りでの強引な抜き上げは、ラインブレイクやフックによる身切れなどバラす可能性が更に高まります。
そう考えるとこれぐらいのパワーバランスがやはり丁度良く、これ以上のパワーを望むなら、それはもうヒラスズキロッドではなくなると納得しました。
このように書くとパワーがないロッドと思われてしまうかも知れませんが、大型ヒラスズキはもちろん、メーターオーバーのシイラも難なく獲れていますのでご安心を。
アヴァリス110H Nano (Avarice 110H Nano) を選んだ理由
このロッドの前に使用していたGクラフトのウネリスペシャルを転倒により折ってから、次のロッドを何にするか決めきれずしばらく悩んでいました。
選定基準としては、地磯でヒラスズキ、青物、根魚を一本で賄えること。ウネリスペシャルで大型のヒラマサを掛けて完膚なきまでに打ちのめされた経験から10kg程度のヒラマサにも対応出来るロッドが希望でした。
当時はヒラマサをバラした悔しさから、大型青物を獲る確率が上がるのなら、多少ヒラスズキゲームの快適性が犠牲になっても良いぐらいに考えていました。
他の候補のロッドとしては、Gクラフトの北西スペシャル、MCワークスのストレンジブルーがあり、ワイルドブレーカーやレイジングブルまで視野に入れていました。
実は一度北西スペシャルを購入したのですが、ガイドが大きく傾いた状態の商品が届いたことから返品した経緯があります。
MCワークスは購入検討時は市場在庫が少なく選択肢から外れました。
そのような経緯からアヴァリス110H Nano (Avarice 110H Nano)を選択しました。
今のところ大型魚はメーターオーバーのシイラ程度でヒラマサをかける機会には恵まれておらず、10kg程度のヒラマサとどの程度渡り合えるのかは定かではありませんが、このロッドは青物にも対応しますがあくまでもヒラスズキロッドとしての味付けだと考えています。
当初の期待とは少し異なりますが、ヒラスズキ釣りがとても楽しいロッドで、もし破損したとしても同じロッドを買い直したいと思う。それほど気に入っているロッドです。
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